PVAは、モノマーと呼ばれる単一単位の前駆体分子の重合によって形成されないため、ポリマー(大きな複数の単位分子からなる化合物)の中ではユニークな存在である。一方、ポリビニルアルコールは、別のポリマーであるポリ酢酸ビニル(PVAc)をメタノールなどのアルコールに溶かし、水酸化ナトリウムなどのアルカリ触媒で処理することで作られる。その結果生じる加水分解、すなわち「アルコール分解」反応により、ポリ酢酸ビニル分子の長鎖構造を破壊することなく、ポリ酢酸ビニル分子から酢酸基が除去される。得られるビニルアルコール繰り返し単位の化学構造
反応が完了すると、生成物は水に溶け、すべての有機溶媒には実質的に溶けない。酢酸基の除去が不完全な場合、樹脂は水に溶けにくく、一部の有機液体には溶けやすくなる。